2016年10月30日

料理百名山L「ナポリタン」

ナポリタン虎ノ門IMG_0226 (002).jpg
「ナポリタン」は、
横濱のホテルニューグランド
発祥といわれますが、
それはケチャップを
使ったものではなく
トマトソースを
使っているそうです。
「ナポリタン」は、
イタリアのスパゲティと、
アメリカのトマトケチャップ、
日本人の工夫が生んだ、
ハイブリッド料理。
まさに日米伊3国同盟が
成しえた奇跡といって
いいでしょう。
どこにでもある材料で
誰にでも簡単にできるのが、
何より庶民にうれしい
料理です。

このナポリタンを
ナポリタンたらしめて
いる地味な脇役に
僕は注目しています。
それはマッシュルーム。
家でつくるとき、
これが入ると入らないでは、
味に大きな差が出る
気がします。
しかも、フレッシュな
ものではなく、
缶詰のものでなければ
あの味にならないのです。
以前、鯖の水煮缶のときに
書いたのですが、
マッシュルームの缶詰は、
数ある缶詰の中でも、
非常に出来の良い
優等生だと思います。
缶詰でなければ味わえない
独特の味は、数々の洋食の
名脇役として活躍している
ことからもその実力は
折紙付きでしょう。
話が少し横道にそれましたが、
缶詰についてはまた頁を
あらためて書こうと思います。

さて、僕のお腹が
「ナポリタン」を欲しがる
ときは、吉野家で牛丼を
食べるときと同じで、
スタートからゴールまで
一直線。100m走のように
一気食い。ワインなど
お酒の入り込む余地は
ありません。
僕がこの日食べたのは、
「ナポリタン」という
名前でしたが、おそらく
ケチャップだけではなく
トマトソースでつくられた
コクのある味でした。
一気食いでした。
美味しかったので
よかったのですが、
アメリカ人が好む
ジャンキーといってもいい
ケチャップの甘酸っぱい
風味はあまり立っておらず、
パスタにもあのふやけた
モチモチ感が
ありませんでした。
これを「ナポリタン」と
呼んでいいのかどうか、
疑問ではありますが、
ホテルニューグランドの
味にはこっちのほうが
近いのかもしれません。
僕はグルメ原理主義者
ではないので、これは
これで良し。料理百名山に
選定したいと思います。

posted by トッチ at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理百名山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月29日

酒場は人間交差点B「常連客3年の法則」

有楽町ぶり大根IMG_0305 (002).jpg
僕は、お酒好きなので、
これまで住んだすべての街に
「常連」として通いつめた
お店があります。
どうでしょう、
週のうち2日以上通えば
充分に常連としての
メンツは保つことができる
のではないかと思います。
「常連」とは居心地のいい
ポジションで、お店の扉を
開けると自分の家に
帰ったような安らぎさえ
覚えるものです。
一方「常連」には、
つらいところもあります。
それほど日にちを
空けずに通わなければならず、
しばらく顔を出さずにいて
久しぶりに行くと、
「どうしたの?」
「心配してたのよ」
などと、根掘り葉掘り
空白の期間の行動を
聞かれたりします。
僕などは、数日行っていない
だけで負い目を感じてしまい、
お酒を飲みたくない
気分だったとしても、
義務を果たすかのように
店に顔を出すところが
ありました。

どのお店にも共通するのは、
気の利いたお通しが
でることです。
これをつまみながら、
今日は何を食べるか
あれこれ考える時間ほどの
幸福はありません。
昔、常連として
通ったお店の中で、
シュウマイのおいしい
お店がありました。基本は、
和食の小料理屋なのですが、
中華料理の心得がある
板さんで、中華系メニューが
いくつかあり、けっこう
うれしいお店でした。
豚肉たっぷりのシュウマイで
食べ応えもあって、
ビールにぴったりの味。
毎晩外食だった当時の
僕にとって、中華系の味で
変化を加えながら
飲める店というのは貴重で、
同じように思う常連さんで
占められていたようなお店でした。

このお店で長く常連を
続けていて気付いたのが
「常連客3年の法則」です。
「常連」といわれる
お客さんでも、
コアな常連数名を除いて
だいたい3年で入れ替わって
いくという法則です。
僕がそのお店に通い始めた当初、
若い客を見つけると男女問わずに
気前よくお酒を振舞っていた
「先生」と呼ばれる人がいました。
が、ある日を境にパタリと
来なくなったのです。
常連で成り立っている店は、
「ちいさな村」と同じなので
いろいろな客がいろいろ
情報収集をして
うわさ話をします。
店の女将によれば、
酔っ払って店の扉の
ガラスを割り、
それ以来、来ない
とのことですが、
噂ではそれだけでは
ないようなのです。
が、真相は藪の中。

そもそも、こういう
「ちいさな村」では
様々な人間関係の
複雑な力学があります。
男女関係も入り組んで
いたりするもので、
どんなお店でも
目に見えないところで
無数のドラマが繰り広げ
られています。
きちんと取材でもしてみたら
一編の小説を書けるのでは
ないでしょうか。
こうして、多くの常連客は、
様々なドラマの末、
少しずつ来なくなり、
少しずつ新しい
常連と入れ替わって
いくのです。5年以上、
その店に通った僕は、
かなりの古株に
なっていました。
不思議なもので、
常連の多くが入れ替わると、
「居心地」が変わるのです。
いや、「居心地」ではなく、
僕が歳を取り、変わって
しまったのかもしれません。
時を同じくして、
僕はその街を
引っ越したのでした。
posted by トッチ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒場は人間交差点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

料理百名山K「麦とろ」

麦とろIMG_0258 (002).jpg
僕は、とろろが好きで、
とろろ蕎麦はもちろん大好物。
家では一ヶ月に一回は
とろろ汁をつくり
ご飯にかけて食べています。
すり鉢で擂るのは面倒なので
おろし金でおろし、
市販のめんつゆと少量の味噌で
味付けをしますがこれでも十分
美味しいです。ご飯が何杯でも
いけてしまいます。

先日銀座界隈を歩いていると、
歩道に置かれたランチの
メニュー表に「麦とろ」という
文字を発見。たまらずお店に
入ってしまいました。
牛タンと麦とろは有名店が
いくつもあるようですが、
このお店は牛タンではありません。
おかずはいろいろありましたが、
僕は刺身とのコンビを選択。
そもそも麦とろは静岡あたりで
江戸時代には食べられていた
歴史のある料理だそうです。
なぜ白米ではなく麦飯なのかは、
よくわかりませんが、
理由の一つとして、
パサパサして食べ難い麦飯を
とろろをかけて食べやすく
したのではないかと想像されます。
麦ととろろの組み合わせによって
スタミナ増強だけではなく、
アンチエイジングや
コレステロール低下などの
効果があるということです。

さて、麦とろと刺身の
セットが運ばれてきます。
食欲が爆発しているときなら、
とろろを半分残しておき、
麦飯をおかわりして、
残りの半分を食べるのですが、
今日は、朝からしっかり
ご飯を食べたこともあり、
そこまではいけそうもありません。
一気にとろろ汁をかけて
スタンバイすると、
まず刺身を一切れ口へ、
そこへご飯をかきこみます。
うーん、うまいうまい。
こういう食べ物は、庶民の
ためにある食べ物です。
マナーなど気にせずに
ズズッと、お茶漬けを
すするように豪快に
食べるのが美味しいのです。
シマッタ!
これは予想に反して
いくらでも食べられそうです。
とろろ汁を半分
残しておけばよかった・・・。
と、後悔しつつ食べ進んだのですが
いやー、うまかった。
ヤマイモと麦飯という
極めてシンプルな料理、
ストイックといっても
いいほどの飾り気のなさ。
それでいて、
食いしん坊の本能を
揺さぶりまくる食べ物です。
肉でも魚でもないのに、
素晴らしい満足感。
これは発明と言っても
いい料理で、僕は
料理百名山に
選定しないことは
考えられないのです。
posted by トッチ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理百名山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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