2016年10月29日

酒場は人間交差点B「常連客3年の法則」

有楽町ぶり大根IMG_0305 (002).jpg
僕は、お酒好きなので、
これまで住んだすべての街に
「常連」として通いつめた
お店があります。
どうでしょう、
週のうち2日以上通えば
充分に常連としての
メンツは保つことができる
のではないかと思います。
「常連」とは居心地のいい
ポジションで、お店の扉を
開けると自分の家に
帰ったような安らぎさえ
覚えるものです。
一方「常連」には、
つらいところもあります。
それほど日にちを
空けずに通わなければならず、
しばらく顔を出さずにいて
久しぶりに行くと、
「どうしたの?」
「心配してたのよ」
などと、根掘り葉掘り
空白の期間の行動を
聞かれたりします。
僕などは、数日行っていない
だけで負い目を感じてしまい、
お酒を飲みたくない
気分だったとしても、
義務を果たすかのように
店に顔を出すところが
ありました。

どのお店にも共通するのは、
気の利いたお通しが
でることです。
これをつまみながら、
今日は何を食べるか
あれこれ考える時間ほどの
幸福はありません。
昔、常連として
通ったお店の中で、
シュウマイのおいしい
お店がありました。基本は、
和食の小料理屋なのですが、
中華料理の心得がある
板さんで、中華系メニューが
いくつかあり、けっこう
うれしいお店でした。
豚肉たっぷりのシュウマイで
食べ応えもあって、
ビールにぴったりの味。
毎晩外食だった当時の
僕にとって、中華系の味で
変化を加えながら
飲める店というのは貴重で、
同じように思う常連さんで
占められていたようなお店でした。

このお店で長く常連を
続けていて気付いたのが
「常連客3年の法則」です。
「常連」といわれる
お客さんでも、
コアな常連数名を除いて
だいたい3年で入れ替わって
いくという法則です。
僕がそのお店に通い始めた当初、
若い客を見つけると男女問わずに
気前よくお酒を振舞っていた
「先生」と呼ばれる人がいました。
が、ある日を境にパタリと
来なくなったのです。
常連で成り立っている店は、
「ちいさな村」と同じなので
いろいろな客がいろいろ
情報収集をして
うわさ話をします。
店の女将によれば、
酔っ払って店の扉の
ガラスを割り、
それ以来、来ない
とのことですが、
噂ではそれだけでは
ないようなのです。
が、真相は藪の中。

そもそも、こういう
「ちいさな村」では
様々な人間関係の
複雑な力学があります。
男女関係も入り組んで
いたりするもので、
どんなお店でも
目に見えないところで
無数のドラマが繰り広げ
られています。
きちんと取材でもしてみたら
一編の小説を書けるのでは
ないでしょうか。
こうして、多くの常連客は、
様々なドラマの末、
少しずつ来なくなり、
少しずつ新しい
常連と入れ替わって
いくのです。5年以上、
その店に通った僕は、
かなりの古株に
なっていました。
不思議なもので、
常連の多くが入れ替わると、
「居心地」が変わるのです。
いや、「居心地」ではなく、
僕が歳を取り、変わって
しまったのかもしれません。
時を同じくして、
僕はその街を
引っ越したのでした。
posted by トッチ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒場は人間交差点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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