
僕が若いころの
クリスマスというと、
いいレストランは
何か月も前から予約しないと
取れませんでした。
なぜかこの日は、和食でなく
フレンチかイタリアンでした。
しかも、多くのレストランで
クリスマスメニューと
銘打って、普段より
2〜3割増しの値段を
とっていたものでした。
そして東京に家があっても
なぜか、都内の高級ホテルを
予約する日でした。
この2つが出来る男は
「できる男」と言われ
女性に大いにもてたものです。
今考えると、何とバカバカしい
と思うのですが、まあ、
貧乏で「もてない男」だった僕が
何を言っても無駄なのでしょう。
そんな、僕も
立派なおじさんとなり、
たまにはレストランで
贅沢もできるように
なりましたが、
昨年から我が家では、
クリスマスケーキを
奥さんが作ってくれるように
なりました。うちの奥さんは、
一昨年は、突然、洋裁に目覚め
休みの日ともなると
ミシンの音が途切れることは
ありませんでした。昨年は、
突然ケーキ作りに目覚め、
材料に結構贅沢をしても、
買うより断然安くあがると、
鼻息荒く自慢しておりました。
で、写真のケーキは
昨年よりはるかに上達した
イチゴケーキです。
中には、数種類の
フルーツが挟んであって
なかなかの美味しさでした。
奥さんによれば、
2種類の生クリームを
ブレンドしたのが
ポイントだそうです。
食べてみると確かに
コクがあるような
気がします。
ケーキを作っている時の
奥さんは、ヒステリーを
起こすのでやっかいですが、
こうして、素人としては
なかなかの出来栄えの
ケーキを食べていると、
もはや煩悩のなくなりつつ
あるおじさんにとっては、
なかなかのジングルベルが
鳴ってくるのでした。