幸福のアンチ・グルメ

小田原の駅前から美しい月を望む。
よく飲みよく食べ、
何だかお祭りの後のように
しんみりとセンチメンタルに
なってしまう風景です。
とはいえ、僕のことです、
帰りの新幹線では当然２次会。
いや３次会か何次会か
わかりませんが、
来るときに大量買いした
おつまみの残りでさらに
陽気に酔っ払うのでした。

僕が三田の街を
通り過ぎるとき、
ラーメン二郎はいつも
そこにあります。
夜空にいつも輝く
星座のように、
黄色い看板が、
あるだけでなんだか
ホッとするのです。
寒い中を黙って並ぶ
大勢の人々。
貧しくても、
悲しくても、
苦しくても、
一杯のラーメンが、
温めてくれる。

１０数年集め続けている
「ひょうちゃん」です。
崎陽軒のシウマイの
醤油さしですが、
絵柄がいろいろあって
僕にとっては、
ポケモンを集めるより
断然楽しいのです。
陶器製というのが
いいのです。同じお醤油でも
断然美味しく感じるのです。
同じビールでもカンビールより
瓶ビールのほうが
美味しく感じるのと
同じかもしれません。

コレクションは写真の数倍、いや
もっとあるかもしれませんが
いまだ未整理なので
その一部を撮影したものです。
パッケージを開け、
中からどんな絵柄が出るか
ドキドキするのがたまらなくて
ここまで集めてしまいました。
お弁当の醤油さし
というと、
プラスティック製の
金魚の形のものも
昔はよく見かけましたが
最近は、何の変哲もない
四角いビニールの
ものが多くて何だか
味気ない気がします。
コストを考えると
そうなるのでしょうが、
旅行の時に
買う駅弁というものには、
合理性やコスパを
超えた楽しさも
忘れて欲しくはありません。
世の中のお弁当屋さんは、
最近はマーケティングなどに
お金をかけるのでしょうが
崎陽軒のように、食べる人の
気持ちになった商品開発を
見習ってもらいたいものです。
ひょうちゃんがついてくる
シウマイは弁当ではありませんが、
僕の旅に欠かせない
おつまみなのです。
ハイボールを準備し、
シウマイのパッケージを開くと、
僕は、まずマスタードを
シウマイ、一つひとつの頭に
平等に塗っていきます。
丁度グリンピースの位置に
黄色いマスタードを
かわいく乗せていくのです。
飲みたい気持ちははやりますが、
この作業は崎陽軒に敬意を
表する意味で手を抜かずに
やり遂げます。
そこに、ひょうちゃんの醤油さし
からドボドボと醤油を
たらしていきます。
きれいな醤油色に染まった
シウマイの旨そうなこと。
そこで、ハイボールを飲み、
シウマイを頬張るのです。

ああ、こうしてブログを
書きながらひょうちゃんを
見ているだけで
旅情がそそられます。
ハイボールが飲みたくなります。