銀座、六本木界隈で
早い時間に飲んでいると、
僕にも手の届くそれほど
高級でもないお店で、
同伴出勤のキャバクラ嬢と
食事をする中年男性をけっこう
見かけます。こういうお店で、
見かける男性には、
2つのタイプがあることに
僕は気付きました。
1つ目のタイプは、
サラリーマン、
役職でいえば課長とか
部長とか、ある程度経費が
使える男性です。
着ているスーツは、
安くないとは
思うのですが、
安っぽくみえる上に
似合っていない、
顔は脂に満ち溢れていて
欲望と野望にまみれた
人生が垣間見えます。
どちらかというと
女性のほうが気を使って
いろいろ相談ごとなど
している様子です。
お酒も料理も特に
贅沢をしているわけではなく
まだ一軒目、これから
同伴出勤するキャバクラに
備えてセーブしているといった
感じでしょうか。
時々聞こえてくる
話は、かなり上から目線、
自分の優秀さを
誇示するタイプです。
僕が女性だったら、こういう男は
嫌だななどと思ってしまいます。
で、必ずこのタイプは、
会計のときに
領収書をもらいます。
日付を入れないで、
などと聞こえてきます。
「接待でもないのに領収書かよ!」
と、僕は心の中で叫びます。
この日は、おでんでしたが、
僕の中では、やけ食いにも
近い感情が渦巻き、
唐揚げや串焼きなども
無意識に注文していて
目の前のテーブルは
お祭り状態です。
さて、2つ目のタイプは、
個人事業主とか中小企業の経営者
といった風情。服装はおそらく
ブランド物ですがノーネクタイ、
けっこうカジュアルな
デザインを着ています。
太鼓腹であることが
シルエットを台無しに
してはいますが、
悪くない印象です。
遊びなれている感じで、
様々な女性におそらく相当
お金を使い、それなりに
いい思いをした成功体験が
あるのかなと想像されます。
というのも、男性には
余裕がある感じで、
けっこう女性との
会話は弾むし、発言は、
上から目線ではなく同じ高さ。
女性は警戒しつつも、
男性のペースに押され気味です。
漏れ聞こえてくる会話から僕は、
「なるほどねえ!」
などと感心してしまったのですが、
最初の頃はグルメの話題で
大いに盛り上がります。
そこで、好きな食べ物を聞き、
今度それの美味しい店があるから
行こうよ、といいます。
いうだけでなく、
空いている日を訊きます。
女性がその勢いに
たじろいでいると
押せ押せで聞き出し、
約束を取り付けます。
次に、旅行の話題です。
ミラノはよかった、
フランスは3度も行った、
ニューヨークは仕事で何度も、
などとこれまた話で
盛り上がります。
国内はどう?温泉とか、
という男性に、
女性は大好きです、
などと応えます。
まんまと罠にかかった
小鳥ちゃんです。
ひとしきり温泉の話題をし、
じゃあ、そんなに行きたいなら
今度、湯布院行こうよ、
となります。
あいまいに、行きたいですね、
などと答えても、
許されるはずは
ありません。ここからは、
押せ押せ攻撃。
いつ空いてる?となります。
女性がしばらく忙しい
といっても、
落ち着くのいつ頃?
となります。
どんどん追い
詰めていくのです。
なるほどねえ、
などと僕が心の中で
しきりに感心していると、
隣の奥さんの話に
身が入っていなかったのが
バレてしまい、
僕は大変な事態に。
同伴カップルの
会話どころでは
なくなってしまいました。
そうでなくても飲み過ぎ
ているところに、
さらにアルコールを
注ぎ込むことになり
次の日の僕はボロボロでした。
あの女性、餌食になって
しまうのでしょうか?
それは綺麗な女性でした。






