
僕が若いころ、
お酒好きの先輩が
いました。
この方は、バーが好きで
僕を連れて銀座のいいバーで
飲ませてくれたのですが、
当時の僕にとってその方は、
典型的なオジサンでした。
ブランドものの
アイビーファッションに
身を固め、髪の毛も
きれいにセットしているのですが、
体形が昔の日本人という
感じなので、どうも
似合っていません。
そして毎朝濃い髭を
きれいに剃ってくるので
いつも口の周りに
出血がありました。
そんなに身だしなみに
気を使っている割には
鼻からは鼻毛が出ていて
それがいかにもオジサンなのです。
ただ、その先輩の頭の中では、
自分はダンディな紳士という
イメージを抱いているようで、
バーに行くと静かに飲む
大人をいつも必死に
演じているようなのが、
当時の僕にも分かりました。
この先輩がいつも飲んでいたのが、
バーボン。おいてある店であれば、
必ずメーカーズマークを
頼んでいました。
今から考えると嘘のようですが、
当時は、国産をはじめ
スコッチウイスキーは、
オジサンの飲み物でした。
若者はみんなバーボン。
しかもロックで飲むのが
かっこよかったのです。
若い人には分からないでしょうが、
ジュリーの「勝手にしやがれ」という
ヒット曲の阿久悠さん作詞の歌詞にも
「〜バーボンのボトルを〜」という
一節がありましたっけ・・・。
しかも、先輩の飲み方が
一気飲みに近いのです。
僕がソーダ割、今でいえば
バーボン・ハイボールを
ちびちび飲んでいると、先輩は
「男がちびちび飲むのはみっともないよ」
と、僕によく説教していました。
酔っぱらって聞いた話を
総合すると、先輩の頭の中には、
西部劇でショットグラスに注がれた
バーボンを一気に飲み干す
アメリカのヒーローの姿があるようです。
その気持ちはわかる気もしましたが
先輩は結構なペースでほぼ一気飲みを
するので、最後はベロンベロンの
酔っ払いオジサンになってしまうのです。
しかも女性が同席していたりすると
単なるエロオジサンになるのです。
僕と二人で飲むと
説教オジサンになるわけです。
ま、酔っ払いとは、
そんなものでしょうが、
僕もいま若者に人気の
ハイボールを飲んでいるわけで
オジサンという意味では、
十分立派なオジサンです。








