
うちの奥さんは、僕の大好きな
孤独のグルメ的というか、
大衆的なお店ではなく、
ちょっとおしゃれで、
落ち着いて会話のできる
お店が好きです。
普段仕事帰りに、
僕が飲んでいるお店に
合流してくれることも
ありますが、時には、
休日にお出かけ用の
ジャケットを羽織って、
奥さんの予約した
レストランに出かけます。
今回は何とミシュラン1つ星の
「アルシミスト」です。
錬金術師という意味だそうです。
かつてハマりにハマった
名作ゲーム、
ファイナルファンタジーで
そういうジョブがあったと
記憶しています。
場所は白金高輪から
歩いて4〜5分。
その味は、錬金術師の
名にふさわしいものでした。

ここには、アラカルトが
ありません。お任せコースのみ。
ただし、予約時に、
苦手な食材や、
アレルギーなどをきちんと
伝えておけばきちんと
対応してくれます。
実は、このお店、
ミシュランの星を取るはるか以前、
オープンしたばかりの頃に、
奥さんが発見し、誕生日や
クリスマスなどに何度か
来たことのあるお店です。
当時は、7000円台の
コースがありましたが、
現在は諸物価の上昇もあり
10000円から。
それでも予約の取りにくい
人気店のようです。
メニューは、写真のように、
料理名がありません。
食材が暗号のように
記されているだけ。
ロールプレイングゲームの
謎解きのような趣向です。

今回は。10000円の
ショートコース。
僕は、13000円の
フルコースを食べたかった
のですが、たくさん
食べられない奥さんに
僕が合わせました。
まずはグラスの
シャンパンで乾杯!
ソムリエの綺麗な
女性が丁寧に
対応してくれます。

フレッシュな雲丹と
バターミルクに
ヴェルベーヌという香草を
合わせた実に繊細な
前菜です。こういうのは、
ガツガツいってはいけません。
シャンパンとゆっくり
味わいます。

お次は、卵。素晴らしい
盛り付けですが、
これは馬肉のタルタルです。
茶碗蒸しというか
プリンというか、
トロトロの
卵がソースのように
なっていて舌触りがよく、
ワインのお供に
絶好の味です。

これは、栗、シイタケ、根パセリ。
スープというか、
食べたことのない
これまた繊細な味の料理。
ここ「アルシミスト」では、
こういう未体験の
味に何度も遭遇するのが
楽しいのです。

パンも美味しいのですが、
左側のオリーブオイルは
ほのかに果実の苦味を感じる
実にフレッシュなものです。
パンがいくらでも食べられます。
それに輪をかけて凄いのが
右側のバター。クリームのような
旨みがあり、まったく、
くどく無いので、いくらでも
食べられるのです。

カツオです。これまた
見事な盛り付けですが、
味も見事。青臭さは
全く感じられず、
ヒンヤリするカツオの
食感とイチジクの甘みが
絶妙にマッチします。
普段、僕が食べている
いわゆるカルパッチョとは
別物の上品なのに
味わい深い一品です。

これは焼いたホタテ貝に
藁の出汁をかけたものです。
「藁の出汁って何ですか?」
と尋ねると、本当に
藁からとった出汁で、
肉や魚は使っていないそうです。
それなのに素晴らしく香ばしい
香りとあっさりしたお茶のような
その出汁が、不思議に
美味しいのです。
料理は冒険だと、僕は
その時思いました。ここ、
「アルシミスト」は、
シェフの山本健一さんという
錬金術師と旅に出る
ロールプレイング
ゲームなのです。

ワインは、グラスでも
複数用意されているので、
ソムリエと相談して
選びます。年に何度も
する贅沢ではないので、
思い切って飲みます。

ラストは、鴨です。
絶妙の焼き加減で、
鴨独特の生臭いクセは
全く感じられません。
赤ワインにピッタリです。
ここまで、パンを
食べすぎ、ワインも
飲み過ぎて、かなりの
満足感です。


デザートも素晴らしいのが
「アルシミスト」です。
上の写真は、ドライアイスか
液体窒素か、今流行りの
演出をテーブルの上で
見せてくれます。
最後はエスプレッソを
飲みながらお菓子を
つまんで超満足です。
僕にはあまり似合いませんが、
こういういいお店で
たまにはゆっくり食事を
するのもいいものです。
奥さんも上機嫌。
僕が、調子に乗って
かなり飲んだので
結構な値段になりましたが、
実にいい贅沢でした。
<お店情報>
東京都港区白金1-25-26 フィラージュ白金 1F
東京メトロ南北線 白金高輪駅より徒歩4分
都営三田線 白金高輪駅より徒歩4分
白金高輪駅から267m
営業時間
【昼】12:00〜13:00(L.O) 15:00クローズ
【夜】18:00〜20:30(L.O) 23:30クローズ
日曜営業
定休日は水曜日、木曜日のランチ
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